マルテン・ブログ

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気に入ったものを自己満足で挙げていきます。

Martin Margiela ㉒ シューレースレス・オックスフォードシューズ

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マルジェラの定番オックスフォードシューズです。
ネット上では詳細情報が集められなかったので、メモを兼ねてまとめてみようと思います。
 
この定番シューズはマルジェラ本人が在籍している頃からリリースされていて、シーズン毎に様々な加工革が使われてきました。個人的に毎シーズン見るのを楽しみにしていたアイテムでもありました。
 
近年も同じ内羽根ストレートチップがリリースされていますが、ソールが厚く、コバが外に張り出したかなり今風のボテっとしたフォルムになっています。
こちらは少し前のもので、ソールが薄く全体的に平べったいのが特徴です。(12ssシーズンはこれよりも更に薄いソールが使われていたと記憶しています。)
 
素材はベジタブルタンニン鞣しのカーフ。色はキャメル系ですが、正式には「アンバー」だそうです。オークションにて、この色に一目惚れして落札したのですが、ヨーロッパ直営店で購入したものだそうで、日本未入荷の色のようです。
 
ベジタブルタンニン鞣しはクロム鞣しなどに比べて革が硬く表面が荒いこと、使い込むうちに色ムラができることなどが特徴のようです。もともとヴィンテージ加工がされていることも含め、写真のとおりいい感じに色ムラがでてきて、かなり好みに育っています。ソールが薄く反りやすいので、皺も多めに入りますがそれも味ですね。

カーフということもあって革は結構しっかりしていて、クリームもちゃんと吸ってくれますし、吸っていれば雨水もしっかり弾いてくれます。
 
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最大の特徴はタンにゴムが縫い付けられていることにより、シューレースレスで履けること。
良い(独特!どうなってるのそれ!)、悪い(シューレースないとか非常識)両方の意味で目を引きます。
 
ですが、実際はなかなか気持ちよく歩くことができないため、ほとんどシューレースありで履いています。

この定番オックスフォードは僕の足には大きく、シューレースレスでは安定しない履き心地になってしまいます。(そもそも、僕の足はサイズ25cm程度がジャストなのでサイズチョイスをミスしています。)

所詮はゴムなのでシューレースレスで履くならば、履き心地は犠牲にせざるを得ないのではないでしょうか。足の型によって人それぞれなのかもしれませんが…
 
 
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あまり挙げられることがありませんが、シューレースレスにも劣らない特徴として挙げられるのは、平べったく独特な形をしたアッパー部分です。
 
写真を見て分かるように、キャップトゥの親指部分が盛り上がった面白い形をしているのがわかると思います。
この形でそんなに違いがでるの?と思われるでしょうが、平べったいアッパー部分に光が当たると、丸っこいトゥの中で少し角ばった違和感ある光り方がアクセントになってくれます。(下の写真参照)

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やや丸みを帯びていてカジュアルさがありつつも、狭いコバでドレス感もあり、上記のようにキャップに遊び心もある。
そんなアッパーの形がこの定番シューズの一番マルジェラらしい魅力だと思っています。
 
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アッパーは平べったくやや大きめですが、ヒールは通常冠婚葬祭などで使われるオックスフォードシューズのように小じんまりとしてて、タイトです。
 
どんなパンツにも合わせやすい靴ですが、マルジェラの定番パンツならば、マックイーンパンツよりもアナトミックパンツの方が相性が良いように感じます。
(アナトミックの方がこのヒールを包み込むように隠し、特徴的なアッパーを印象づかせることができると個人的に思うから)
 
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靴が好きな方が買う前に一番気にするポイントが、ソールの縫い付けだと思います。マルジェラの靴はマッケイ製法やセメント製法であることが多いようです。(グッドイヤー製法のものもごく限られたシーズンあったようですが、僕は見たことがありません)
  
写真を見て分かるように、この靴はコバに縫い付けがないため、グッドイヤー製法ではありません。 
 
マッケイ製法ではインソールとアウトソールを直接縫い付けますが、その糸も見えません。白いインソールは貼り付けられているので剥がす気にはなりませんが、ひょっとしたらその下に糸があるのかもしれませんが。
 
※この靴はオークションで購入したものなのですが、出品者はマッケイ製法と言い切っておられました。購入当初からビブラムソールが貼られていましたが、高さに違いが出ないようにアウトソール表面を削って貼り付けられています(上の2枚目参照)。 ひょっとすると、アウトソールを削った下にステッチが見えるのかもしれません。以前、靴修理屋さんのブログでこのアウトソール表面を剥いだ下に糸がある画像を見たことがあります。(下記、新宿御苑工房: http://sg-koubou.blogspot.jp/2013/04/campanile.html?m=1
 
きちんとしたレザーソールであること、ソールが非常に薄いことからも、なんとなくマッケイ製法なような気がしていますが実際のところ分かりません。(こんなに薄く反りやすいソール、しかもレザー同士を接着剤で付けられるのでしょうか?)
 
セメント製法なら言わずもがな、マッケイ製法であったにせよ、ソール交換を前提にしない方がいい靴であることに違いはありません。(マッケイも複数回のソール交換は厳しいようです。)ビブラムソールを定期的に張替えすること、雨の日をさけて履くことで長持ちさせたいと思っています。
反りが強く出るので、シューキーパーは木製のしっかりしたものを入れるべきです。
 

 
何度も言うように薄いソールなので、長時間履いていると少々足に疲れがでてきてしまいます。
 
マルジェラの靴は10万円前後しますが、正直に言って同じ値段を出すのであれば革質・作り両方の意味で老舗のほうが断然良いと思います。満足できるかどうかは買う人がデザイン代にどれだけウエイトをおけるかによるでしょう。
 
僕自身、デザインにウエイトを置ききれないこともあってオークションで購入しているのであまり偉そうなことは言えませんが^^;
 
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以下、Churchのコンサルとの比較画像です。
 
 
 
 
 
 
 
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平べったさや独特の丸み、キャップの凸凹具合が伝わるかと思います。