マルテン・ブログ

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気に入ったものを自己満足で挙げていきます。

Martin Margiela ⑩ 00aw アナトミックパンツ

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マルタン・マルジェラのパンツと言えば、マックイーンパンツとアナトミックパンツ。

ここ最近は、なぜだかマックイーンよりもアナトミックが気分だったりします。

 

こちらは00awシーズンのものです。

 

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00awと言えば、こちらのルックがとても印象に残っています。今回のアナトミックはこのルックでも使われたもの。

色使い、シルエットのバランス、モデルの雰囲気…どれを取っても好みで、個人的にはマルタンの中でも一二を争うくらいのルックです。

 

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余談ですが、こちらのスウェードジャケットも素晴らしい雰囲気。

革素材であることから革がヘタっていたり破れていたり、リブがウールであるためか虫食いが酷かったり、サイズが合わなかったりと、中々良い個体に出会えないアイテムでもあります。

(ということは、所有してもあまり頻度良く着れなさそうでもあり、安易に手を出さないようにしています。)

 

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アナトミックパンツは定番のアイテムですが、こちらは少し珍しく、共生地のベルトが付属します。

2000-2001年頃の限られた期間でこの仕様のものを見かけます。

フランネル素材、ハリのあるコットン素材など、この頃は様々な素材のアナトミックが多い印象もあります。


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ベルトはフック式?になっています。

こんなことを言ってはなんですが、あまりしっかりと締められるものではないので実用的ではないと思います。

基本的にベルトをしない僕にとって、実用性はあまり関係ないところでありますが、せっかくの共生地、かつ薄くて腰回りのシルエットを邪魔しないこのベルトは、実用性よりもデザイン性として着ける可能性はあるような気もしています。

 

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ベルト無しの一枚。ベルトの有無だけで少し印象が変わるでしょうか?

自分で書いておいて何ですが、ベルト有無よりもクリースの有無の方が印象に大きな影響がありそうですね^^;

 

アナトミックはクリース無しが基本だとは思っていますが、上のルックでは薄くクリースが入っているように見えます。

以前に紹介した99awのアナトミックでも記載したように、公式でクリース入りも存在するように思います。

クリースを入れると変にフレアしないと言う点など良い面もあるので、しばらくはこの仕様を楽しみたいと思っています。

 

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生地は千鳥格子かつチェックが組み合わさった柄。

言葉だけで見ると主張が強そうに感じるかもしれませんが、実物では色合いが絶妙なのか主張は強くなく、落ち着きのある渋い雰囲気があります。

上述のルックを見てもそう感じないでしょうか?

 

色は大枠としてブラウンなのでしょうが、千鳥格子の独特な発色もあってかグレーっぽくも見える、マルタンお得意の絶妙(微妙)な色合いです。


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素材はウール100%です。

前にも記事で書きましたが、個人的にアナトミックパンツはウール素材のものの方がシルエットが綺麗に出ると思います。(止まっていても、動いていても。)

生地は厚みのあるしっかりした生地ですが、柔らかさは損なっておらず、アナトミックの柔らかな雰囲気とシルエットが綺麗に出ます。

 

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サイズは46です。

エストの関係でサイズ44のパンツを選ぶことが多いですが、アナトミックに関しては、少し緩さを強調したいところもあり、それも含めてベストなサイズでした。

 

エストは約78-80cmほどでしょうか。

シーズンによってもサイズ感は微妙に違いがありますが、80cmを超えてくると緩くて履けなくなってしまうので、このサイズ感までがベストです。


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お馴染みのコインポケット。(あるいは、ウォッチポケットなのでしょうか?)

シーズンによって位置がフロントとバックで変わりますが、こちらはフロントに。


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初期のものだと、バックポケットは右側に一つが基本のようですね。

また、以前に紹介した99awのアナトミック同様に、ポケット内側にボタンが付いています。これもごく初期の型に特有のようです。

chappsen10.hatenablog.com

 

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大枠ではブラウン系のアナトミックということで、以前にも記事にした07awシーズンのアナトミック同様、こちらのクロケットジョーンズのサイドゴアを合わせて綺麗めに履くのが良いでしょうか。

chappsen10.hatenablog.com

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あるいは、こちらのmasao shimizuのグレージュカラーのジャーマンも相性が良さそうですね。

 

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今まであまり揃えてきた色合いのアイテムではないだけに、コーディネートに悩んでしまうところもあるのですが、アイテム自体の雰囲気が抜群なので何とか自分のものにしていきたいと思っています。

これから歳を重ねても履いていける一本なので、焦らずじっくり料理していきたいですね。

アナトミックには、そういう魅力も詰まっていると思います。

visvim 21aw Thorson II alt.(トーソン)

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visvimの定番ジャケットであるトーソン。定番ではありますが、シーズンによって仕様やシルエットが結構変わります。

こちらは21awシーズンのものです。シーズン当時に買い逃してしまったものの、この21awモデルのシルエットとこのカラーは頭から離れず探していました。

 

とにかくシルエット・ボリュームが抜群、細部のバランス感だけでビビッと来るものがありました。

基にしているのはボンバージャケットなのだと思いますが、21awは昨今のトーソンと比べても着丈が長く、左腕のポケットも廃され、だいぶデイリーユースでジャンルレスに合わせられる仕上げになっています。

 

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色味も抜群です。

色の表記は"KHAKI"、この土臭い色合いがたまりません。

手持ちの黒系のアイテムとの相性はもちろん、ブラウン系や、発色に気をつければネイビー系・オレンジ系にも合わせにいける絶妙な色合いをしています。

 

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表地はナイロン84%、コットン16%です。この混率はvisvimでよく見る気がします。(コットン84%、ナイロン16%と逆の混率もよく見ます。)

ナイロン主体で強度的な心配をそこまでしなくて良いのは扱いやすくて良いですね。

 

ナイロン主体だと普通は光沢・テカリがでるものですが、コットン混の上でvisvimの十八番である”泥染め”が成されることで光沢が抑えられ、やや黒ずんだ、なんとも言えない発色になっています。

このボディの色味と、リブの色との組み合わせが、とにかく素晴らしいと思います。

細かいところですが、首元リブの高さもやや低めに設定されているのは良いポイント。

 

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リブ自体の存在感も抜群です。あまり気にする人もいないのかもしれませんが、これだけでグッと惹かれるものがあります。

ウール・ナイロン・麻を組み合わせた、なかなか凝った仕様になっています。

肌触りは少しシャリ感があり、ドライ。個人的にはかなり良い。

 

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袖と裾は二色切り替えです。この色合い…良いですよね。堪りません。

なんとなく、この色の切り替えにスポーツ・ストリート・テイストも感じます。色さえ合わせれば、そういうテイストに合わせて行くこともできる気がしています。

 

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袖の濃い色部分では、少しムラのある編みでヴィンテージ感を出しているあたり、拘り具合がちょっと他に類を見ないレベルです。

 

先に向かってすぼまるリブの作りは、リアルヴィンテージを忠実に再現しているそうです。

ここ最近はUNIQLOでも取り入れられていますが、見比べてみれば(価格の違いもあって当然ではありますが)UNIQLOの作りは安っぽい感じに見えてしまいます。

 

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裏地もかなり拘りを感じます。

色の使い分けも素晴らしいですが、素材も細かく使い分けられています。オリーブ色のヘリンボーン生地が差し込まれているところが堪りません。

切り替えの理由としては、ジップ部分で裏地レーヨンが擦らないようにするためかと思いますが、デザインとしてもグッと心を掴まれました。(着ている分には全く見えないところではありますが、こういうところが個人的にツボです)

 

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ファスナースライダーもオリジナル。

少し歪な形をしているのは、ハンドメイドなのでしょうか。visvimならそこまでしているかもしれません。味のあるデザインです。

加工もされて(あるいは泥染等の過程で経年相当の変化をして)生地に馴染んでいます。

なお、ジップ部はスイスririだそうです。そこまでジップブランドへのこだわりはありませんが、正面に位置するので必ず目には付いてしまうパーツではありますね。

 

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ボンバージャケットだとジップ裏の前たて?の幅が広いものとおもいますが、それも細くすっきりしています。

これも、全体の印象を整える役割がでていると思います。(ジップを閉めてしまえば見えませんが、基本開けているので、個人的にはここも重要)

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「In Quality We Trust」のステンシルプリント。

あっても無くても着心地やデザインには全く関係のないディテールで、「プリントされているから何なの?」と言われかねませんが、逆に言うとそんなところまで拘っているとも言えます。

経験上、こういうところまで拘りのあるアイテムは、あらゆる点でクオリティが高いです。(ブランドの想いがカタチになって出てきてしまったかのようなこういうディティールは、一消費者として感じるものがあります。)


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特に近年は肩幅・身幅・アームホールのたっぷりしたシルエットが強調されているので、同じ型名でも印象は全く異なるのではないでしょうか。

同じトーソンでもオリジナル(ボンバージャケット)を意識してか、着丈の短い場合が多くなっている中で、21awはちょうど良い着丈になっています。

サイズ2で着丈は72cmほど。174cm痩せ型の僕にちょうど良いオーバーサイズシルエットです。(サイズ1や3だと、着た時のバランスが崩れてしまう感じでした。)

 

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拘りの詰まった激アツジャケットで、本格的な秋冬に向けて、これを軸にコーディネートを考える時間が楽しくて仕方ないです。

 

(追記)

ちなみに、あまりにもツボなので色違いのブラックも購入しています。

使用頻度としてはこちらの方が高いです。

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ナイロン主体のコットン混、ナイロンで僅かながら光沢があるので少しグレーがかって見える一方、コットンは泥染で褪せたような風合いなので、それらが絡み合って他にない風合いに。
インナーにブラックを合わせると互いがより引き立ってきます。

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(おまけ)

 

実は、23awモデルのトーソンも購入しています。こちらはまた違った雰囲気と良さがあるので、またの機会に紹介させてください。

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