革靴に本格的に惹かれるきっかけとなったのが、このエドワードグリーンのバークレーでした。
所謂、旧工場製の旧202ラストです。
これまで、革靴に興味をいだきつつも、あまり見ないようにしてきましたが、仕事の関係でスーツを着るようになってから本格的に革靴が必要になってきていました。
なんと言っても特筆すべきは革質です。
とにかく透明度の高い光沢があります。
加えて、僕が好みのやや青みがかった深い黒色がたまりません。
光沢の透明度の高さや、薄らコーティングに見える層があることからもアニリン仕上げのカーフであると判断しています。
クリームを塗ればこの光沢。
ワックスなんか必要ありません。
(ワックスを使うこと自体、殆どないのですが。)
もう一つ驚くべきは革の柔らかさです。
決して薄い皮なわけではない、むしろかなり厚めの革であるにも関わらず、モチモチしています。
グッと指で押し込んでもぷよぷよと元通り。
パーツの境目やタンからも革の厚さがわかると思います。
(パーツの境目は革を剥いで段差を無くしていた方がドレッシーですが。)
厚くなれば硬くなるのが常ですが、上述の通り厚さに反して柔らかいので言うことなしです。
随所に見られる、履くことで出来る皺もきめ細かい。
エドワードグリーンはアウトソールの『MADE IN ENGRAND 』の刻印字体と、インソールロゴ字体、サイズ表記方法(手書きか否か)でおおよその作られた年代が分かるようです。
アウトソールの刻印字体が写真のようなブロック体なら、ほぼ間違いなく80年代後半〜90年代超初期のものとのこと。
少し調べれば分かりますが、エドワードグリーンは買収前後で工場が変わっており、冒頭でも書いたとおり、この靴は所謂『旧工場製』です。
95844という管理番号?が雑に手書きされていることもあり、ひょっとするとリジェクト品なのかもしれません。
(アッパーにも薄らとトラのような痕も見られます。)
が、そこらで売られている新品よりもよほど革のクオリティが高く、満足感は高いです。
Paul Stuart別注品のため、インソールには『DESIGHNED BY EDWARD GREEN FOR Paul Stuart』の刻印があります。
Paul StuartはアメリカのブランドであるせいかUSサイズ(7-1/2 D)が1番上に表記され、わざわざUKサイズ(7 D ENG)も併記されています。
あまり見慣れないサイズ表記ですね。
というより、少々無理やり直した感じが否めません笑
このあたりもリジェクト品と判断した理由です。
202ラストのDウィズということで、かなりスマートなフォルムです。
特に、80年代後半の202ラストは『旧202ラスト』と呼ばれ、同サイズ・ウィズの現行202ラストよりも小さくスマートに作られています。
(参考までに、エドワードグリーンは現行202ラストだとUK6.5あたりがちょうど良い感じです。旧202はサイズ感も若干小さいようです。)
たまたま旧202ラストEウィズのバークレー(チェスナットカラー)も持っているため、並べてみました。違いが分かると思います。
Dウィズの方が足先の押さえが効いていると思います。
チェスナットカラーのバークレーも現行202ラストと比べれば多少はスマートですが、Dウィズは更に細く絞られています。
僕は足幅が狭く甲も高くないため、どのブランドも基本的にウィズを下げないとジャストフィットしません。
この靴はほぼジャストフィットしています。
ヒールカップも小さく作られています。
踵が抜ける感覚は非常に気持ち悪いので、ここは譲れないところです。
履いてみれば、土踏まずあたりをグッと持ち上げるような気持ちの良い履き心地。エドワードグリーンの特徴と言っていいと思います。
仕事用として購入したものの、極めて上品な光沢があること、パンチドキャップであることから、結婚式などのパーティー機会で履くことが多い一足になっています。
余談ですが、シューツリーは純正品よりもコルドヌリアングレースのものがピッタリ入ります笑