このところ購入機会が増えているvisvimから、定番のアイリスジャケット。
古着・軍物に詳しくないのですが、M-51ライナー?をベースにしているように見えるこのジャケットは、忠実に再現している部分がありつつも、visvimなりの解釈も取り入れられている印象です。(もともと、ライナー、インナー?だったものをオーバーシルエットにしてアウター化してる、というのは面白いですね。)
同型のジャケットはvisvimに限らず世に出回っていると思いますが、オリジナルを踏襲しつつも、この色合いやボリューム感、細部の拘り方はvisvimならではだと思います。
定番カラーのオリーブやカーキも良い色ですが、個人的には稀にリリースされるvisvim特有の淡いカラー(直近では19aw?頃のライトグリーンカラー?など。多くは、泥染されたもの。)にも惹かれるものがあり、このブルーはポパイに掲載された写真を見てリリース前から少し気になっていました。
visvimのなかでも人気のアイテムだそうで、実際、販売日間もない頃に直営店に立ち寄った際もオリーブカラーのワンサイズのみしか在庫がありせんでした。半ば諦め気味でしたが、地方のセレクトショップに電話してみたところ運良く理想サイズのブルーカラーの在庫があるとのこと。
これも縁と購入に至りました。
繰り返しになりますが、泥染されて少し霞んだブルー、というよりブルーグレーの色合いが魅力的です。
ブログ記事トップの写真は光の当たり方で青っぽく写っていますが、実物はどちらかと言うと上の拡大写真のようにグレーっぽさが強く、手持ちとして多いネイビーカラーはもちろん、黒を含むダークトーンの服にも馴染みが良いのが嬉しいところです。
一見、鮮やかながらも霞んで落ち着いた色合いからは、どこか日本らしさを感じるから不思議です。
これは直営店で店員さんに聞いたのですが、数百回?も泥に浸けては洗いを繰り返して出来上がった色合いとのこと。人手で行っているのですから凄いと思います。
「わざわざ人手を介する必要はあるのか?」なんていう疑問も率直に湧きますが、敢えて人の手での作業を取り入れることで、工業製品というよりも工芸品のような魅力を纏わせることができているのだと思います。
タグにも記載がありますが、ブランドとしても単なる工業製品としての服にならないような作り込みを意識しているようです。
記載のある「タイムレス」、「オーセンティック」は服を買う上で個人的にも特に意識しているキーワードです。
リバーシブル仕様です。
こちらもグレージュっぽく良い色合いなのですが、肘付近のブルーの切替が入るので合わせるのが難しいと思っています。
手持ちの服の色合わせの関係で、現時点ではこちらサイドは殆ど使うことはなさそうです。
(こちらサイドのポケット、可愛いですね。)
表地はナイロン100%にも関わらずドライクリーニング表示になっていますが、こちらも直営店の店員さん曰く、「私物のアイリスジャケットは普通に水洗いしていますが、色や風合い変化も殆どなく問題はない。そもそも泥染めの過程で何度も水洗いしているので。」とのこと。
細かな拘りですが、個人的にグッとくるところが、このパイピング部。
よくよく見ればわかるのですが、編みで表現されたジグザグの柄があしらわれています。これが遠目にも効いていてカッコいいです。あまりここまで目につく人はいないかもしれませんが…。
ジップはririのでかジップ。これも存在感があり、ボリュームあるシルエットとバランスが良いと思います。
✳︎画像は下記ショップ様のものです。
上記の写真のように、少々オーバーサイズ気味に合わせた方が今風でしょうか。
174cm、59kgですが、サイズ2着用でおおむね同じサイズ感でした。
パーカーやスウェット、シャツなどを合わせてもまとまりがよく、意外にも着回しのきくアイテムで助かっています。
なお、このジャケットはインライナーとしてvisvimの特定のコートに使える仕様にはなっているとのことですが、個人的にその予定はありません。
そもそもオーバーシルエットなので、ブランドとしても現行ではインライナーとして使うことを想定していないのでは?と思うほど。
(過去のアイリスジャケットはコンパクトなサイズ感であり、シーズンによって変わるようです。)
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visvimはネット上の写真を見るだけだと特徴もイマイチ伝わりにくく、デザインもあまり大衆受けしないものが多いと思います。
僕自身、大半のアイテムには惹かれないのが事実。むしろ、良く用いられるダメージ加工などは大半が僕の好みではありません。
一方で、ピンポイントでとてつもなく惹かれるアイテムがあるのも事実です。
色合いや素材は勿論、サイズ感・シルエットも他ブランドにないものがあります。このあたりは、店頭で実物を見てみないと分からないことも多いかもしれません。
今回のアイリスジャケット以外に、直近では泥染された鉄紺色のコクーンシルエットのコート、肌触りの良いウールリネン生地で大胆ながら馴染み良いバンダナ柄のチュニックなどを購入しています。
これらも決して大衆ウケしないアイテムだと思いますが、他ブランドにはない特徴を有しているのも事実だと思います。
素人の自分が言うのはおこがましいと思いますが、ブランディングが上手いのだろうなと。
今後も、今のスタンスを継続して欲しいです。