ジョンロブのシティ2 です。
以前購入したフィリップ2で7000番ラストのサイズ6Dが僕の足と相性があまりにも良いことが分かり、何なら手持ちの仕事靴を全てこのラスト・サイズの靴に買い替えてしまおう、くらいの勢いです。
勿論、サイズは6D。
フィリップ2と比べるとサイズは幾分小さく感じますが、5分も履いていれば吸い付くようにフィットしてくるから不思議です。
靴ズレもほぼなく、既に僕の仕事靴のローテーションに組み込まれています。
これまで紹介してきた靴に比べると、少し種類の異なる、じんわりとした光沢が特徴的な革質です。
とまぁシティ2 単体については良いとして、ここからが本当やりたかったこと、シティ2 とフィリップ2の比較です。
(同じメーカー内での比較ですので、ある程度の純粋比較にはなっていると思います。)
定価(2020年11月現在の公式サイト価格)で言えば、シティ2 は192,500円(税込)、フィリップ2は264,000円(税込)で、その差は約70,000円です。
造りの違い(フィリップ2はヴェヴェルドウエスト、シームレスヒール、ヒール高さ他)は言わずもがなですので省略するとして、今回は革質のみを比較してみます。
と言っても、ある程度引きで撮った上の写真でも、並べて見ると違いが分かるのではないでしょうか。
フィリップ2のほうがツルッとした光沢を放っています。一方、シティ2はじんわりした光沢です。
上:シティ2
下:フィリップ2
シティ2 も単体で見れば高品質な革であるのは言うまでもないですが、並べて比較するとやはりフィリップ2の革のきめ細かさが際立ちます。
ただし、その分だけ逆に繊細かもしれません。
毛穴による凹凸の差は歴然です。もちろん、個体差もあるとは思いますが。
上:シティ2
下:フィリップ2
履いている回数の違い(シティ2 の方が使用頻度高)もあり、皺の入り具合を純粋比較はできませんが、それでもフィリップ2の方がきめ細かい皺の入り方です。(というか、フィリップ2は皺が殆ど見えませんね笑)
勿論、シティ2も使用頻度を考慮すれば、相当きめ細かい皺と言って良いと思います。
上:シティ2 (革の厚さ:約1.0mm)
下:フィリップ2(革の厚さ:約1.4mm)
*3層(革3枚)構造のうち最も厚い1枚の厚さ
革の厚さを履き口で比較してみました。
どちらも3層構造のしっかりした造りで、他のメーカーと比べれば厚めの革ですが、フィリップ2のほうが更に厚い革を使っているようです。
高々0.4mm程度の厚さの違いで何が変わるんだと思われるかもしれませんが、「皮革ハンドブック」で調べてみると、その強度(引裂強さ・伸びに対する強さ等)は厚さの違いで加速度的に上昇するようですので、厚さは重要なパラメータかと思います。
ちなみに、「皮革ハンドブック」ではカーフ(仔牛)の一般的な厚さを0.8mmとして各種試験結果が掲載されているので、シティ2にしても一般よりも厚い革を使っていると言えます。
なお、成牛の一般的な厚さは1.5mmとして掲載されているので、フィリップ2はカーフ(仔牛)でありながら成牛並みの厚さを兼ね揃えていると言えそうです。
今回は革質にフォーカスして比較してみました。
造りの違いは勿論ですが、(個人的に)革靴の最も重要な要素である革質についても、プレステージラインは素人目にも一段と良いものが使われていることが分かりました。
勿論、革の表面的なきめ細かさや厚さだけで良し悪しを決められるものではありませんが。
約70,000円の値段差。
これを安いと捉えるか高いと捉えるかは、その人次第ですね。